当院に通われていた患者さん(Yさん)のお話です。
今年の2月にリウマチを発症され、当院に通われていたお嫁さんの紹介で来院されました。
発症当初は症状はそれほどきつくは無かったのですが、病院で「リウマチです」と宣告されてからはとても悲観されて嘆き続けたそうです。
その直後から指が腫れ上がり、手に力が入らなくなり、膝が痛く歩くのも辛くなり、症状が一気に進行してしまいました。
当院に初診で来られた時ももの凄く落ち込んでいて、ストレスによる負のスパイラルに嵌っていた印象でした。
リウマチは医学的には免疫の病気ですが、当院に来られた方に伺うとほとんどの方が発症時に強い肉体的疲労やストレスや睡眠不足があったと異口同音におっしゃいます。
これらの原因が身体や心を過緊張の状態にしてしまい、自律神経のバランスを崩して免疫異常を起こしたり、筋肉の緊張から関節異常を起こすと私は考えています。
初診時のYさんを見て、免疫だけが原因では無いと理解させて治る希望を持たせて、ストレスを取り除く事を重視しました。
手技による調整よりも言葉で気持ちを変化させれるように努力しました。
初回の調整で歩く痛みが楽になり、手に力が入るようになり、治る希望が持てたおかげで「翌日からかなり楽になった」とおっしゃってました。
うまく説明できないのですが、
手技による効果よりもストレスが減った事による効果が顕著だった典型的な人でした。
それ以来根気よく通院され、徐々にリウマチと向かい合え、今の自分を受け入れる事ができるようになり、どうすれば身体や心に無理をかけずに済むのかをお互いに考え少しずつ実行できるようになっていきました。
時には無理しすぎてしまい激痛を抱えて来院されることもありましたが、
私も試行錯誤を繰り返しながら困難を乗り越えてきました。
ホームページのトップページに書いてある「二人三脚」の言葉が今年見た患者さんの中で一番実感できる患者さんでした。
10月に入ってからは、まだ無理はできませんが大きな痛みも無くなり、「とても調子が良い」と喜んでおられて、これで回復の道はついたなと私も安心し始めた矢先の事でした。
「ちょっと最近風邪気味でして」と言っていた数日後に病院で間質性肺炎と診断を受け即入院、血液を透析(洗浄?)するような治療を受けたようで、娘さん曰く医者ははっきりと言わないがリウマチ薬の副作用のようだとの事でした。
以前新聞にも出ていましたが、リウマチ薬の副作用で間質性肺炎になる方は少なからずおられるようです。
私も知ってはいましたが、この患者さんの希望でステロイドを止めて症状が悪化した時期があったので、それ以来あまり薬についてのアドバイスはあまりしてきませんでした。
身体はあんなに楽になってきたのに、どうしてこんなタイミングで・・・
入院されたのを聞いても当初はまたすぐに退院できるものだと思っていました。
早い段階で気管切開され薬で眠っていたのでお見舞いにも行けませんでした。
ほんの1ヶ月ほどで急変されて急逝されるとは夢にも思っていませんでした。
誰が悪いと言えるものではありませんが、Yさんの身体に関わってきた者として、もっと薬のリスクを説明しておけば良かったとか、もっと施術でできる事があったのではととても悔やまれます。
同じ思いをする事が無きよう、この経験はこれからの治療家人生の糧にします。
若くしてご主人を亡くされてからご主人の会社を経営しながら女手一つで立派に3人の子育てを頑張ってこられたYさん、やっとゆっくりとできますね。
安らかにお眠り下さい。
心より、心よりご冥福をお祈りし申し上げます。
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偶然、数日前に買った本です。
親が死ぬまでにしたい55のこと
同世代の方にはぜひお薦めします。
大阪-堺自然整体院